治験



もう微笑むこともできない。

君と僕は違う人間で
そこには埋められない溝がある。


そんなのはきっと当たり前のことで
人間社会ではきっと
目を瞑って生きるまでもなく
意識すらしないことなのだろう。

けど私はいちいち傷付いてしまうのだ。

君の全てをわかりたい。
私の全てをわかってほしい。

そんな不可能なことを
純な気持ちで望んでしまう恐怖。

私は今、君にどんな足枷をしてる?